今年の夏は佐渡に行っていた。
初めて能を観た。
能は謡いと囃子と舞で構成される。
動きは静かで省略したひとつひとつの動作、音にいろいろな意味が入っているらしい。
夜、静かな神社の能舞台から響き渡る謡いと囃子の音は、現実と違う別の世界に導いてくれるようにも感じる。
不思議と子供の頃の記憶が蘇る。
・・・今、見ている景色は現実なのだろうか? 別の世界につながる道があるのでは?
生まれ育った奥出雲の・・不安定で不気味な曇り空と
特に何も無い普通の自然、真っ暗になる妖しい夜の景色はいろんな事を想像させてくれた。
ちなみに能舞台での主人公はほとんどが幽霊だそうである。
最近、自分の写真を撮るという行為のルーツを考えてみることが多いけど、自分の写真に対して私の為の私写真というより、生まれ育った環境写真なのかな・・と思ったりする。