No.6 ローレン・グリーンフィールド
「GENERERATION WEALTH」@京都新聞ビル 印刷工場跡
ローレン・グリーンフィールドは、写真家兼映像作家であり、若者文化やジェンダー、消費社会に関する記録や研究論文を発表し、高く評価されている。
今回の作品である「GENERERATION WEALTH」は、ローレン・グリーンフィールドが〝富がもたらす作用〟について研究した25年間の集大成とも呼ぶべき作品群である。例えば、物質崇拝主義であったりセレブ崇拝についての疑問。そのような派手な物質主義への憧れは何処から生まれ、どのように日常に作用していくのか。それは、ある日の共産主義の崩壊による特権階級の崩壊がきっかけで生まれる時もあるだろう。また、実態の伴わない印象操作や時代の空気が作り出す場合もあるだろう。どちらにしろ、それが真の幸福とリンクされていない場合も多い。我々は、ありふれ過ぎた日常の物質と欲望の中で、日々更なる欲を追いかけ暮らしているのだ。真実の幸福はどこにあるのだろうか。
この展示会場は、空間作りが本当に素晴らしかった。KYOTOGRAPHIE 2018 の展示の中で、最も印象に残った会場の一つに挙げる人も多かった。
それにしても、日本人の写真家の中でも、写真の創作活動を、それ以外の研究や本格的な仕事と織り交ぜながら、表現に膨らみを持たせる人が増えてもよさそうなものであるが・・。なかなか現実は難しいのかな。日本の場合、表現が「写真道」に偏りすぎている気もする。