No.3 Liu・Bolin(リウ・ボーリン)×Ruinart @ y gion
「初めてセラーの中に入った時、私は800年以上も昔に白亜質の土壌から人間が切り出したという巨大な空間が示す迫力に圧倒されてしまいました。足を踏み入れた人は、時の経過を感じ神秘的な感動を覚えることでしょう。」
リウ・ボーリンの言葉から。
この作品は、世界最古のシャンパーニュ・メゾンであるルイナールとのコラボにより制作されている。リウ・ボーリン自身、シャンパーニュ地方に約10日間滞在し、今回の作品を仕上げているという。
そこには、その地やそこで働く人、時間、そして写真家が静かに同化して行く様子が描かれている。彼自身、この地を訪れた際、『歴史』『文化』『サヴォアフェール(匠の技)』『人間的側面』が心に浮かび上がり、欠かすことの出来ない重要な要素になったと言う。
彼は一見、論理で構築された世界に棲んでいるかのように映るのだけど、感覚的に大地との会話を楽しめる直感力も持ち合わせているのではないのかな。
自分たちにペイントし、今自分たちの立つ、空間・時間との同化作業は、どこか東洋人らしさも感じてしまう。
リウ・ボーリン
中国・山東大学で彫刻を専攻。その後しばらくデッサンの教鞭をとる。転機は2008年北京オリンピックに向けた、北京市内の市街地と住民コミュニティへの遠慮無い破壊行為に対し、無言のパフォーマンスを行ったことである。それはやがで写真を使った表現へと昇華を遂げる。