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2017年 10月 12日
先日、やっと京都国立博物館で開催されている特別展「国宝」に足を運んだので、簡単な状況と感想を書いてみたい。
当日は混雑が予想されたので、開館15分前に現地に到着した。チケットはスムーズに購入できたもののその後の入館者の多さには辟易としてしまった。館内は会館前にもかかわらず既に人、人、人・・・。400~500人くらいの列ができていたのでは。予想以上の混雑ぶり・・。その後博物館を会館しても人数制限をしながら順次会場に入場する具合で、展示会場までに更に30分かかった。三連休後の休館日翌日ということも影響しているのだろうけど。
会場は朝だというのに予想以上にごった返しており、とても落ち着いて鑑賞できる雰囲気ではなかった。ただ、観たい作品をあらかじめ絞って、そこだけにエネルギーを注げば、まじかでじっくりと作品に対面できる!というメリットはあるのかな?何せ、混雑していて、一旦作品前の列に入るとなかなか動かない上に抜け出せない=作品をゆっくり鑑賞できる!と前向きに?考えることにした。
私自身は雪舟に絞って鑑賞した。 今回の企画展では、雪舟の国宝認定の作品を一堂に揃えて特設会場を設けて展示してある。 展示作品は下記の6点 「秋冬山水図」 「四季山水図(山水長巻)」 「破墨山水図」 「慧可断臂図」 「天橋立図」 「山水図」
前にも紹介した「四季山水図(山水長巻)」を初めて観ることが出来たので簡単に感想を書いてみたい。 この作品は前回書いた通り、約40㎝巾の巻物に16mにわたり描かれている。墨をメインに薄く彩色も施し、中国の四季を街の人の営みを交えながら彩られている。実際の作品は、想像以上に長く迫力があり、墨色も美しく鮮やかだった。
筆のタッチは一見力強く見えるもののどこか軽く、薄く施された彩色が意外にもさわやかな印象を与えていた。そのさわやかな彩色に合わせているのだろうか、墨も濁りを感じず、まさに一点の曇りもないかのような爽快感すら感じてしまう。やはり純粋に綺麗で、こちらの心の曇りもどこかに飛んでしまう。澄んだ世界。個人的には、もう少し自己主張が強く厳しさを訴える作品なのかと思ったが、意外にもさわやかで静かな印象だった。
また、実物の巻物を広げた状態を観て、改めて季節の変わり目や場面の変わり目の編集がとても巧みであることに驚いた。大きな岩を巧みに使い画面を垂直線で分断しながら次の場面に行くという編集のセンス!これは意外に軽やかでリズミカルな展開になり、眺めていても全く飽きない。引き込まれるばかりだった。しかも当時流行の余白や情緒をふんだんに演出しようとするあざとさも感じない。彼は中国に渡って当時の中国絵画も学んでいるはずなのに、それを雪舟流に咀嚼して生まれ変わらせている。
画面の中で小さく人物も登場する。描かれる一人の高士は、雪舟自身の自己投影という説もあるがどうだろう。実際この作品の高士を見ると、どこか一緒に旅しているかのような錯覚に陥り、穏やかな気持ちになる。この作品は、日本人にまだ見ぬ中国の風景を描きだしている作品であるのに、例えば病の床についている人だったり不穏な足音に怯える人が観たとしたら、どんなに心が安まるだろう。やはり素晴らしい作品だった。
因みにこの長巻は、10/3~10/12が前半部分 10/13~10/22が後半部分の展示となる。 もう一度行かねば・・・。

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