最近になり、自分が仏像に興味があることが否定できないことがわかり・・。
振り返ると今年に入り、特に仏像の展覧会ばかり観てきたような・・。
そこで秘仏を一点紹介したい。
釈迦如来立像 京都 清凉寺所蔵 985年 (木造 163.6㎝)
この仏像は、東大寺の僧である奝念が中国の宋に渡った際に、現地でインド伝来の”釈迦像と崇められていた像”を模彫させて持ち帰った作品だといわれている。27歳の釈迦を模した像だと言う。 インドから中国、そして日本へ、「三国伝来の釈迦如来」として古くから信仰を集めて来ただけあり、この像には抜群の存在感がある。 顔が異常に生々しく、鋭い眼光でじっと、ただただ彼方を見つめている。仏像といえば、大概が穏やかな佇まいなのに、この木彫像の像全体から漂うものといえば、ただならぬ”生”そのものにも思えてくるほどの迫力。それもそのはずで、この釈迦如来立像は、体内から絹でできた五臓六腑や、鏡像、教巻も発見され当時の人々の強い信仰心が感じられる。
強力な存在感を持ち合わせたこの像、ただ一目お会いするだけで、その”生の力”に救われてしまいそう。
因みにこの像の模像は、日本国内で数多く制作され信仰の対象となっている。例えば奈良の西大寺にもあり、ハルカス美術館開催の「奈良西大寺展」でも展示中。(9月24日迄)
本家清凉寺での釈迦如来立像拝観は、毎月8日と春秋の特別展で可能。
先日の或る博物館の方のお話では、仏像がお寺を離れ博物館や美術館で展示される場合、一度像の魂を抜く儀式を行ってから運ばれるそう・・。本来はやはりお寺でお参りするべきなのだろう。
清凉寺の釈迦如来立像展示は、10月17日〜10月21日迄。
京都国立博物館「国宝」展は、10月3日~11月26日迄。日本人に人気の長谷川等伯「松林図屏風」なども展示されるようです。