やっと一息つける日々。
翳りと憂いが微かに漂う京都の夏の夜。
遠い記憶の闇を祓うかのように、夏の京はお祭りが繰り広げられている。
みたらし祭は、7月の土用丑の日前後に下鴨神社で行われる足つけ神事。
普段入ることの出来ない下鴨神社内の御手洗池へ足を浸し、無病息災を願うお祭りだ。
今年初めてお祭りに参加した。
御手洗池の湧き水の、氷のような冷たさに驚いた。
それは、凍える冬の大気が、地中から湧き出ているかのようだった。
このお祭りは、平安時代の貴族が、季節の変わり目に、禊をして罪や穢れを祓っていた名残だと言う。