建仁寺の敷地内にある塔頭の一つ両足院。こちらのご住職は芸術への理解があり、両足院は毎年KYOTO GRAPHIEの展示会場となっている。
敷地内には、日本庭園を望む方丈や書院、そしてお茶室が二つあり、書院とお茶室を使っての作品展示が展開されている。
この両足院の池泉式庭園は、光の当たり具合により、刻々と表情を変えて行く。
まるで苔や草木が会話を楽しんでいるかのように思えてしまうほど、豊かで多彩な表情だ。
祇園からほどよく近い筈なのに、喧騒が嘘のよう。
暫く草木を眺めて佇むと、不思議なことに妙な仲間意識まで芽生えてしまう。
これがきっと、日本人の持つ本来の感覚なのだろう。
自然光のみで鑑賞する荒木経惟の作品も、落ち着いた佇まいに溶け込む様に、静かに「生」を語りかけてくれる。そんな空間。