先日久しぶりにMさんからmailを頂いた。
何点かプリントを購入してくださるとのことだった。
mailは、とても嬉しいお知らせの後、”東京を離れます”と記されていた。
展示の時にしかお会いしない方なのに、不思議な寂しさが漂う今日この頃。
恋心にも似た不思議な情感は、いったい何処からくるのだろう。
Mさんが購入してくださるプリントは、写真集にも載っていなかったり、展示にも使わなかったものが殆どで、プリントを丹念に観て下さり、純粋な自分の気持ちに従って選んでいらっしゃるのではないのかなと思えてしまう。
それはまるで、素の自分を理解してくださっているようにも思え、そっと秘密を打ちあけた後の、少し気恥ずかしい気分にも通じるところもある。
言葉を交わすわけでも無い、写真を通じてのひとときは、ただその場の少し緊張した空気だけが記憶に残るようでいて、言葉以上の多くの何かを交わして頂いている気がしてならない。
ほんのすこしの時間の中から大きな広がりを教えてくれたひと。