早池峰山の麓、この辺りは12世帯ほどの集落らしい。
早池峰神社隣には、廃校となった小学校が当時のまま残っている。
つい最近まで地元の子供たちの声が聞こえていた場所‥。
今はというと、数人の子供たちはバスで10K程先の小学校へ。
その昔、この小学校も木造の茅葺屋根であり、暖を薪に頼っていたんだよ、と。
今は、茅葺屋根も子供達の姿もなく、ただひっそりと時を刻み、限りない静けさはしんしんとした雪の存在感を一段と引き立てる場所のようにも思えてしまう。
この辺り、以前はトロッコ列車が走っていたらしい。
近くの山で伐採した木材を遠野の中心地まで運んでいたとのこと。
木材に混じって、人も無料で乗せてくれたので楽しかったよ。(笑)とBさん。
地元の三人で昔の話に花が咲く。
そして最後にぽつり、
「貧乏だったけど、昔の方がずっと楽しかったなぁ・・。」と。
窓の向こうに広がる白い雪景色を眺めながら、心地よい言葉のリズム。
口当たりのよく、しなやかなコーヒーの味。
大らかでほんのりと温かい三人の会話。
東京に住むと便利ではあるのに、自分の中の感覚的な何かが一つ麻痺していくようだという事をあらためて感じてしまう。
こちらに来て、少しだけ・・本来持っていた嗅覚がさめたような気持ちに。