東京が大雪に見舞われる前日、ひとり岩手へ行った。
雪があるのか確かめもせず足を運んでしまったので、少し緊張しながらの旅。
新幹線に乗っていても落ち着かない。雪はあるんだろうか?
福島を過ぎても全く雪の気配が無かった。
今回だけは雪駄目なのかな・・と諦めモードになった夕暮れ時、比較的積雪量の多い北上駅で微かに街灯に輝く白いものが見えた。おそらく雪。
少しホッとする。
新花巻駅に着くと雪は8cm位残っていたものの、既に溶け出はじめていた。
日も暮れ相当寒だろうと覚悟をしていたのに、東京と変わらぬ寒さにやや驚く。
地元も人曰く「今日は暖かく、異常気象だったよ」と。
その日は釜石線に乗り換えて遠野を目指した。
夕暮れ時の車内は帰り道の学生でいっぱい。
元気な学生に混じって、カズラと思われる、どぐろ巻き”魔法の杖”を手にした小柄なおばあさんが可愛らしくて、遠野に着くまでそっと眺めていた。
本当に魔法使いのよう。(笑)
紺色の頬かむりは短めでカールの効いた黒髪によく似合っている。
小さめながらパッチリした瞳にはまつ毛がフサフサしていて、どこか年齢を超えた可愛らしさがある。
写真を撮らせてもらおうとも思ったものの、何だかカメラが取り出せなかった。