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松江へ
早朝の飛行機で出雲空港に向かう予定にしていたのだけど、出雲地方は早朝から深い霧に覆われ、晴天であるにもかかわれず飛行機は着陸できないかもしれないという。
飛行機は30分ほど出雲空港上空で旋回する。
出雲の上空から暫く、霞んだ山野やすーっと広がる淡い空をみていると、山陰での過去を旅するような気分になり何気にボーっと昔の些細な出来事を思い描いてしまっていた。
そうこうしているうちに空港から着陸の了承が得られたようで、暫くして飛行機は無事出雲空港に着陸することができた。
節分の山陰地方は珍しく快晴、暖かくもあり穏やかで過ごしやすそうな日。
空港から松江のホテルに向かうと近所にある神社で懐かしい節分の行事をしている。
懐かしいと思い、思わず自分は”東京からの観光客”のフリをして、お参りに来ていた地元の人に松江のしきたりを聞くととても親切丁寧に教えてくれる。
本当は撮影をしようと思ってきたのだけど、天気も良くゆったりした風を感じることで、東京で齷齪していた自分が物凄く小さく思え、撮影は程ほどに思いっきり気分をゆだねてみる事にした。